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10GbE 2ポート Wi-Fi 6E対応Aterm WX11000T12 を買ってみた

今まで、WN-DAX3600XRというWi-Fi6対応ルータを性能面で不満がありつつも使用していました。
Wi-Fi 6Eに対応しているMacBook Proを購入したこともあり、Wi-Fiルータも6E対応にしたいと思っていました。

昨今、各社からWi-Fi 7が出始め、NECからもそろそろ出るのではないかという状況ですが、Wi-Fi 6EのAterm WX11000T12を今更ながら購入してみました。

使用感、検証結果を載せておきます。

1. スペック

概要だけ記載しておきます。

  • 10GbE WANポート x1 (BRモードでLANに変更可)
  • 10GbE LANポート x1
  • 1GbE LANポート x3
  • 5GHz 最大4,804Mbps (160MHz 4ストリーム)
  • 6GHz 最大4,804Mbps (160MHz 4ストリーム)
もちろんフレッツ光クロス対応です。

2. 開封

本体と添付品は以下の通り。CAT6AのLANケーブルも付属しています。

Aterm WX11000T12 添付品

本体サイズは、WN-DAX3600XRとそんなに変わりませんでした。

Aterm WX11000T12 本体サイズ比較

背面のポートは以下の通りです。

Aterm WX11000T12 背面ポート

3. 初期設定

3-1. 起動

今回は、ルータモードとしては使わず、ブリッジモードにします。
物理ボタンをBRに合わせてから、電源をいれます。

3-2. 接続とログイン

本体とPCをLANケーブルで繋ぎます。

初期IPである192.168.1.210に接続します。
http://192.168.1.210/

ファームウェアは最新版でしたので、そのままIP等を自分の環境に合わせて設定します。

4. 設定

デフォルトから変更した設定は以下です。(IP、SSID、暗号化キーは記載しません)

基本設定
メンテナンスバージョンアップ機能 OFF
送信元検証設定 OFF
状態表示ランプ点灯設定 POWERランプのみ点灯

バージョンアップは手動でやりたい。
LEDは消して少しでも省電力に。でも付いてないと動いているのか分からないので、POWERだけに。

Wi-Fi基本設定
メッシュWi-Fi機能 OFF

メッシュは使用しないのでOFF。同時にバンドセレクト機能も使用出来なくなりますが、我が家では帯域毎にSSIDを変更するので問題なしです。

Wi-Fi詳細設定(2.4GHz)
オートチャネルセレクト機能 使用しない
デュアルチャネル機能 使用しない
使用チャネル 11
リモートワークWi-Fi
(ネットワーク分離機能)
ON
SSID内分離(セパレータ) ON
ESS-IDステルス機能 ON
送信出力 50%
セカンダリSSID OFF

今回のポイントです。
我が家では、2.4GHzにはネットワークカメラやSwitchbotなどが繋がっているだけで、それら同士の通信がありません。
そのため、セキュリティ的な観点と、無線に不要なパケットが流れないようセパレータをONにしました。
この機能を有効にすると、無線端末はWANポート側のみと通信できるようになります。BRモードでもこの機能は動き、WANポートをインターネット方向に接続すれば良いです。(我が家の場合は上位のスイッチとWANポートを接続しています)

Wi-Fi詳細設定(5GHz)
オートチャネルセレクト機能 使用しない
使用チャネル 112
ESS-IDステルス機能 ON
送信出力 50%
セカンダリSSID OFF

5GHzは、クアッドチャネル(80MHz)で使用します。

Wi-Fi詳細設定(6GHz)
送信出力 50%
セカンダリSSID OFF

6GHzにはESS-IDステルス機能は無いようです。
他機種では設定できるものもあるようですが、繋がらない機器が出てくるそうです。
理由は調査していません。

6GHzは、オクタチャネル(160MHz)で使用します。

ECOモード設定
省電力型イーサネット(EEE)機能 ON
適用 曜日 有線LAN速度抑制時間帯
ON 毎日 0:30~6:00

嬉しいECO機能がありました。
夜間は有線LANの速度を下げておきます。

無線のOFF機能もできれば欲しかったです。

5. 速度測定

5-1. 10GbE WANポート ⇔ 10GbE LANポート (2.5GbEリンクアップ)

WANポートにサーバをLANポートにデスクトップPCを接続して測定をしました。
我が家には10GbEを持つ機器が無いため、2.5GBASE-Tでの測定です。

iperf3 1コネクション (Gbps)

サーバ←端末 サーバ→端末
1回目 2.35 2.05
2回目 2.35 2.05
3回目 2.35 2.04
4回目 2.35 2.05
5回目 2.35 2.04
平均 2.35 2.05

素晴らしいスループットでした。
もしかしてと思い、Pingで遅延も測ってみました。

Ping遅延 (ms)

直繋ぎ Aterm WX11000T12 WN-DAX3600XR
1回目 0.564 0.2321.493
2回目 0.331 0.545 1.281
3回目 0.442 0.519 1.848
4回目 0.552 0.363 1.238
平均 0.472 0.415 1.465

直繋ぎと遜色ない素晴らしい処理速度でした。これならファイルサーバとの通信も安定しそうです。

5-2. 10GbE WANポート(2.5GbEリンクアップ) ⇔ Wi-Fi 5GHz(80MHz)

M3 Pro搭載14インチMacBook Proを無線に接続して、WANポート側のサーバまでの速度測定をしてみました。
APと無線端末の間は、壁なしで1mほどの距離で測定しています。

5GHz (80MHz)
iperf3 1コネクション (Mbps)

送信 受信
1回目 700 662
2回目 659 820
3回目 666 920
4回目 669 697
5回目 663 694
平均 671.4 758.6

5GHz 80MHzは期待通りのスループットです。

5-3. 10GbE WANポート(2.5GbEリンクアップ) ⇔ Wi-Fi 6GHz(80MHz)

6GHz (80MHz)
iperf3 1コネクション (Mbps)

送信 受信
1回目 668 880
2回目 721 677
3回目 408 691
4回目 503 751
5回目 759 943
平均 661.8 788.4

6GHz 80MHzも5GHzと同等のスループットでした。
ただし5GHzより、障害物には弱いと思われます。

5-4. 10GbE WANポート(2.5GbEリンクアップ) ⇔ Wi-Fi 6GHz(160MHz)

6GHz (160MHz)
iperf3 1コネクション (Mbps)

送信受信
1回目11001090
2回目8481140
3回目8871450
4回目12401070
5回目13401110
平均10831172

6GHz 160MHzも良いスループットが出ました。
測定するたびに値がブレるので、外部の影響を受けやすいのだと思われます。
ただ使っている分には気にはなりませんでした。

6. 最後に

やはりNECは良い物を作っていると思いました。

速度はもちろん、機能的に見てもセパレーターが無線毎にON/OFFできますし、ECOモードがありますし。(無線のECOも欲しいけど)

以前使っていたAPのような、原因不明の接続できない問題もありませんし、長いこと使えそうです。

今回は、BRモードでしか使っていません。
RTモードでは使ったことが無いので、ルータとして使うとどうなるかは分かりません。