今まで、WN-DAX3600XRというWi-Fi6対応ルータを性能面で不満がありつつも使用していました。
Wi-Fi 6Eに対応しているMacBook Proを購入したこともあり、Wi-Fiルータも6E対応にしたいと思っていました。
昨今、各社からWi-Fi 7が出始め、NECからもそろそろ出るのではないかという状況ですが、Wi-Fi 6EのAterm WX11000T12を今更ながら購入してみました。
使用感、検証結果を載せておきます。
スペック
概要だけ記載しておきます。
- 10GbE WANポート x1 (BRモードでLANに変更可)
- 10GbE LANポート x1
- 1GbE LANポート x3
- 5GHz 最大4,804Mbps (160MHz 4ストリーム)
- 6GHz 最大4,804Mbps (160MHz 4ストリーム)
開封
本体と添付品は以下の通り。CAT6AのLANケーブルも付属しています。
本体サイズは、WN-DAX3600XRとそんなに変わりませんでした。
背面のポートは以下の通りです。
初期設定
起動
物理ボタンをBRに合わせてから、電源をいれます。
接続とログイン
本体とPCをLANケーブルで繋ぎます。
初期IPである192.168.1.210に接続します。
http://192.168.1.210/
ファームウェアは最新版でしたので、そのままIP等を自分の環境に合わせて設定します。
設定
デフォルトから変更した設定は以下です。(IP、SSID、暗号化キーは記載しません)
メンテナンスバージョンアップ機能 | OFF |
---|---|
送信元検証設定 | OFF |
状態表示ランプ点灯設定 | POWERランプのみ点灯 |
バージョンアップは手動でやりたい。
LEDは消して少しでも省電力に。でも付いてないと動いているのか分からないので、POWERだけに。
メッシュWi-Fi機能 | OFF |
---|
メッシュは使用しないのでOFF。同時にバンドセレクト機能も使用出来なくなりますが、我が家では帯域毎にSSIDを変更するので問題なしです。
オートチャネルセレクト機能 | 使用しない |
---|---|
デュアルチャネル機能 | 使用しない |
使用チャネル | 11 |
リモートワークWi-Fi (ネットワーク分離機能) |
ON |
SSID内分離(セパレータ) | ON |
ESS-IDステルス機能 | ON |
送信出力 | 50% |
セカンダリSSID | OFF |
今回のポイントです。
我が家では、2.4GHzにはネットワークカメラやSwitchbotなどが繋がっているだけで、それら同士の通信がありません。
そのため、セキュリティ的な観点と、無線に不要なパケットが流れないようセパレータをONにしました。
この機能を有効にすると、無線端末はWANポート側のみと通信できるようになります。BRモードでもこの機能は動き、WANポートをインターネット方向に接続すれば良いです。(我が家の場合は上位のスイッチとWANポートを接続しています)
オートチャネルセレクト機能 | 使用しない |
---|---|
使用チャネル | 112 |
ESS-IDステルス機能 | ON |
送信出力 | 50% |
セカンダリSSID | OFF |
5GHzは、クアッドチャネル(80MHz)で使用します。
送信出力 | 50% |
---|---|
セカンダリSSID | OFF |
6GHzにはESS-IDステルス機能は無いようです。
他機種では設定できるものもあるようですが、繋がらない機器が出てくるそうです。
理由は調査していません。
6GHzは、オクタチャネル(160MHz)で使用します。
省電力型イーサネット(EEE)機能 | ON | |
---|---|---|
適用 | 曜日 | 有線LAN速度抑制時間帯 |
ON | 毎日 | 0:30~6:00 |
嬉しいECO機能がありました。
夜間は有線LANの速度を下げておきます。
無線のOFF機能もできれば欲しかったです。
速度測定
10GbE WANポート ⇔ 10GbE LANポート (2.5GbEリンクアップ)
WANポートにサーバをLANポートにデスクトップPCを接続して測定をしました。
我が家には10GbEを持つ機器が無いため、2.5GBASE-Tでの測定です。
サーバ←端末 | サーバ→端末 | |
---|---|---|
1回目 | 2.35 | 2.05 |
2回目 | 2.35 | 2.05 |
3回目 | 2.35 | 2.04 |
4回目 | 2.35 | 2.05 |
5回目 | 2.35 | 2.04 |
平均 | 2.35 | 2.05 |
素晴らしいスループットでした。
もしかしてと思い、Pingで遅延も測ってみました。
|
直繋ぎ | Aterm WX11000T12 | WN-DAX3600XR |
---|---|---|---|
1回目 | 0.564 | 0.232 | 1.493 |
2回目 | 0.331 | 0.545 | 1.281 |
3回目 | 0.442 | 0.519 | 1.848 |
4回目 | 0.552 | 0.363 | 1.238 |
平均 | 0.472 | 0.415 | 1.465 |
直繋ぎと遜色ない素晴らしい処理速度でした。これならファイルサーバとの通信も安定しそうです。
10GbE WANポート(2.5GbEリンクアップ) ⇔ Wi-Fi 5GHz(80MHz)
M3 Pro搭載14インチMacBook Proを無線に接続して、WANポート側のサーバまでの速度測定をしてみました。
APと無線端末の間は、壁なしで1mほどの距離で測定しています。
送信 | 受信 | |
---|---|---|
1回目 | 700 | 662 |
2回目 | 659 | 820 |
3回目 | 666 | 920 |
4回目 | 669 | 697 |
5回目 | 663 | 694 |
平均 | 671.4 | 758.6 |
5GHz 80MHzは期待通りのスループットです。
10GbE WANポート(2.5GbEリンクアップ) ⇔ Wi-Fi 6GHz(80MHz)
送信 | 受信 | |
---|---|---|
1回目 | 668 | 880 |
2回目 | 721 | 677 |
3回目 | 408 | 691 |
4回目 | 503 | 751 |
5回目 | 759 | 943 |
平均 | 661.8 | 788.4 |
6GHz 80MHzも5GHzと同等のスループットでした。
ただし5GHzより、障害物には弱いと思われます。
10GbE WANポート(2.5GbEリンクアップ) ⇔ Wi-Fi 6GHz(160MHz)
送信 | 受信 | |
---|---|---|
1回目 | 1100 | 1090 |
2回目 | 848 | 1140 |
3回目 | 887 | 1450 |
4回目 | 1240 | 1070 |
5回目 | 1340 | 1110 |
平均 | 1083 | 1172 |
6GHz 160MHzも良いスループットが出ました。
測定するたびに値がブレるので、外部の影響を受けやすいのだと思われます。
ただ使っている分には気にはなりませんでした。
最後に
やはりNECは良い物を作っていると思いました。
速度はもちろん、機能的に見てもセパレーターが無線毎にON/OFFできますし、ECOモードがありますし。(無線のECOも欲しいけど)
以前使っていたAPのような、原因不明の接続できない問題もありませんし、長いこと使えそうです。
今回は、BRモードでしか使っていません。
RTモードでは使ったことが無いので、ルータとして使うとどうなるかは分かりません。