WN-DAX3600XRの10GbEポートにデスクトップPCとサーバを2.5Gbのリンク速度で接続していましたが、この製品の転送遅延によるレスポンスの悪さ、スループットに不満がありました。
それらを改善させるため、10GBASE-Tを使える専用のスイッチが欲しいと思っていましたが、価格と発熱問題があるため一般家庭には時期尚早かなと思い、中々手が出ずにいました。
そんな折、10Gの移行期間としては、良い選択肢と思われる 2.5GbE 4ポート、10GbE (SFP+) 2ポートを持つBinardatのスイッチを見つけ購入してみました。
スペック
スペックは付属の説明書から転記しています。
Binardat 2G06-04210GS | |
---|---|
ポート | 2.5GBASE-T x4 10G/1G SFP+ x2 |
機能 | VLAN(アイソレート機能、マルチプルVLAN、プライベートVLANと呼ばれる物) |
MACアドレスリスト | 4K |
ジャンボフレーム | 12KByte |
パッケージバッファ | 8.1Mbit |
転送モード | ストアアンドフォワード |
交換容量 | 60Gbps |
パケット転送率 | 44.64Mpps |
寸法(長さ×幅×高さ) | 168×94×32mm |
動作温度 | 0℃~40℃ |
アンマネージスイッチなので、ログインして設定変更のようなことはできませんが、前面のスイッチを切り替えることで、VLAN機能を使うことができます。
VLANと言っても、VLANタグが使えると言う訳ではなく、ポート1~4番間の通信できないようにする機能です。
ネットワーク業界では、ポートアイソレーション、マルチプルVLAN、プライベートVLANと呼ばれる物です。
不特定多数のユーザが接続し、ユーザ同士の通信を禁止したい場合に使うことが多いです。
開封
箱は、パッと見でメーカー名以外は分かりません。
側面のシールで内容が分かります。
中には製品と説明書。
製品としては、本体、ACアダプタ、プラグ変換、ゴム足です。
ACアダプタには、PSEマークがありました。
安心して使えそうです。
本体前面には、各ポートとVLAN機能ON/OFFのスイッチがあります。
SFPのポートにはカバーがあってよかったです。
背面は、DC入力とアースがあります。
底面は、 壁掛け用の穴とゴム足を付ける窪みがあります。
本体は思ったよりコンパクトで軽かったです。
スループット
我が家には、10GbEが使える端末が無いため、2.5GbEで速度測定を行いました。
結果は以下の通りで、直接続したときと同等の速度が出せています。
# iperf3 -s ----------------------------------------------------------- Server listening on 5201 ----------------------------------------------------------- Accepted connection from 192.168.0.2, port 50508 [ 5] local 192.168.0.250 port 5201 connected to 192.168.0.2 port 50509 [ ID] Interval Transfer Bitrate [ 5] 0.00-1.00 sec 266 MBytes 2.23 Gbits/sec [ 5] 1.00-2.00 sec 279 MBytes 2.34 Gbits/sec [ 5] 2.00-3.00 sec 279 MBytes 2.34 Gbits/sec [ 5] 3.00-4.00 sec 280 MBytes 2.35 Gbits/sec [ 5] 4.00-5.00 sec 278 MBytes 2.33 Gbits/sec [ 5] 5.00-6.00 sec 279 MBytes 2.34 Gbits/sec [ 5] 6.00-7.00 sec 279 MBytes 2.34 Gbits/sec [ 5] 7.00-8.00 sec 280 MBytes 2.35 Gbits/sec [ 5] 8.00-9.00 sec 279 MBytes 2.34 Gbits/sec [ 5] 9.00-10.00 sec 280 MBytes 2.34 Gbits/sec [ 5] 10.00-10.04 sec 12.1 MBytes 2.34 Gbits/sec - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - [ ID] Interval Transfer Bitrate [ 5] 0.00-10.04 sec 2.73 GBytes 2.33 Gbits/sec receiver ----------------------------------------------------------- Server listening on 5201 -----------------------------------------------------------
遅延が少ないため、速度が出せていると思います。
# ping 192.168.0.2 PING 192.168.0.2 (192.168.0.2) 56(84) bytes of data. 64 バイト応答 送信元 192.168.0.2: icmp_seq=1 ttl=128 時間=0.389ミリ秒 64 バイト応答 送信元 192.168.0.2: icmp_seq=2 ttl=128 時間=0.471ミリ秒 64 バイト応答 送信元 192.168.0.2: icmp_seq=3 ttl=128 時間=0.391ミリ秒 64 バイト応答 送信元 192.168.0.2: icmp_seq=4 ttl=128 時間=0.408ミリ秒 ^C --- 192.168.0.2 ping 統計 --- 送信パケット数 4, 受信パケット数 4, 0% packet loss, time 3103ms rtt min/avg/max/mdev = 0.389/0.414/0.471/0.033 ms
消費電力
使用ポート数とリンク速度が1Gか2.5Gの違いで消費電力に差が出てくるのか調査しました。
消費電力の測定には、SwitchBotプラグミニを使用しました。
合計ポート使用数 | 2.5G使用ポート数 | 1G使用ポート数 | ワット数 |
---|---|---|---|
4 | 3 | 1 | 5W |
3 | 2 | 1 | 4.5W |
2 | 1 | 1 | 3.7W |
1 | 1 | 0 | 3.0W |
1 | 0 | 1 | 2.5W |
0 | 0 | 0 | 2.3W |
我が家の使い方では、5W程度で済みます。
温度
本スイッチの通気口は向かって右側にあるため、右側が上になるように設置しています。
この状態で、通常使用した後に温度を測りました。
横倒しにしているので上面は、写真の左側のことです。
計測場所 | 計測温度 |
---|---|
上面 | 20.9℃ |
底面 | 26.3℃ |
右面 | 25.4℃ |
冬なので今のところ問題は出ていません。夏にどうなるか分かりませんが、もし熱すぎる場合はファンでも当てておこうと思います。
最後に
2.5GbEでワイヤスピードが出ることを確認できました。10Gポートの方は機材無いため未検証ではありますが、10Gへの移行期間にも使っていける事でしょう。
インターネット回線が10Gの場合でも、10Gポートの1ポートにインターネット側のルータを、もう1ポートにデスクトップPCなどを接続して、その他を2.5Gのポートに接続することも出来るので、永く使うことも出来そうです。
今後は、デスクトップPCに10G SFP+のNICを増設して、発熱の少ないDACを接続してみたいと思います。(未購入)