年度末に自分へのご褒美と少しばかりの休暇が取れたので、念願であった10GbEに手を出してみました。
そうは言っても、インターネット回線は1Gのままなので、あくまでLAN内の一部です。
対象は、サーバ、デスクトップPC、Wi-Fiです。
ただし、持っているノンインテリジェントスイッチが、2.5GBASE-T x4 と SFP+ x2なので、2台までしか10GbEに出来ません。
10GbE製品の選択の方針や実装、速度測定の結果を記載します。
方針
まず、LANケーブルで10GbEにしようとすると、10GBASE-Tの製品を使うしかありません。
これが非常に爆熱で、FANなしでは触っていられないほどの熱さになります。
そのまま放置したら、故障しそうです。
ということで、以下の方針で機器を選定しました。
- 発熱の少ないSFP+ と ダイレクトアタッチケーブル(DAC)の構成にする
- 10GBASE-TのSFP+は、発熱が少なそうな80m対応品にする
それで、我が家の自宅サーバは、PCIeスロットがx4なので以下の製品を購入しました。
最初は一つだけ購入し、サーバとWi-Fiを10GbEにして速度測定してみましたが、Wi-Fiの速度が頭打ちになり、10GbEにしても意味が無かったため、デスクトップPC用にもう一つ購入し、デスクトップPC-サーバ間を10GbEにすることにしました。
DACに関しては、前述のNICとセットで最初は1本だけ購入していましたが、最終的に2本購入しました。
長さは、サーバとスイッチの間は近いので0.5mとデスクトップとスイッチ間を3mを購入しました。カラーは色々あるのでお好みで。
10GBASE-T SFP+に関しては、発熱が少ないとされるBroadcom BCM84891 80m対応品が欲しかったのですが、Amazonでそれがどれなのか分からず、とりあえず10GTekの物にしましたが、違うかもしれません。結局、NICを2枚購入したため使わなくなりました。
発熱はやはり凄く、触っていられない程でした。ですが、風を当てておくと温かいと感じるくらいになります。USB扇風機でも構いませんので、当てておく事をお勧めします。
開封
まず最初に買った物がこちら。
NICの内容物はこのようになっており、ロープロファイル用ブラケットも入っています。ドライバCDは使いません。
この通り、SFP+のスロットになっています。
こちらは、10GBASE-TのSFP+です。
裏には80m品であることを示すラベルが貼っています。
コネクタ部分。
DACです。
コネクタ部分。
追加で買った物がこちら。NICは同じもので、DACは短い物にしました。
実装
NICはデスクトップPCとサーバに実装しました。
デスクトップPCの方は、ドライバをIntelのサイトからダウンロードして当てます。Windows11用のドライバがないため、手動でインストールしました。
やり方は、ダウンロードしたzipファイルを解凍して、[PROXGB\Winx64\NDIS68]フォルダの中のixn68x64.infを右クリックして、インストールするだけです。
サーバ(CentOS Stream 9)の方は、起動するとドライバが勝手に当たってくれました。
また、元々使用していた2.5GbEのNICと同一のPCI-Eスロットを使用したため、デバイス名が変わらず、設定ファイルがそのまま使え、何もせずに移行ができました。
あとは、DACケーブルをNICとスイッチに接続して完了です。
以下のようになりました。
速度測定
デスクトップPCとサーバ間の速度測定結果がこちら。
サーバ ↑ PC |
サーバ ↓ PC |
|
---|---|---|
1回目 | 3.56 Gbps | 5.20 Gbps |
2回目 | 3.50 Gbps | 5.40 Gbps |
3回目 | 3.61 Gbps | 5.34 Gbps |
4回目 | 3.69 Gbps | 5.40 Gbps |
5回目 | 3.84 Gbps | 5.38 Gbps |
平均 | 3.64 Gbps | 5.34 Gbps |
これを4ストリームにすると。
サーバ ↑ PC |
サーバ ↓ PC |
|
---|---|---|
1回目 | 6.77 Gbps | 6.55 Gbps |
2回目 | 6.77 Gbps | 6.55 Gbps |
3回目 | 6.77 Gbps | 6.55 Gbps |
4回目 | 6.75 Gbps | 6.55 Gbps |
5回目 | 6.77 Gbps | 6.54 Gbps |
平均 | 6.77 Gbps | 6.54 Gbps |
これくらいが限界なのでしょうか。
ジャンボフレームを使えばもっと速くなると思いますが、個人的に使いたくないのでこのままで使用します。
次にファイルサーバーとして使用した場合の速度がこちら。
体感でも、1GB程度のファイルのアップロードが一瞬で終わり驚きました。HDDの速度を上回っているのは、おそらくキャッシュが効いているのだと思います。
10GbEはロマンに過ぎないと思っていましたが、効果があって良かったです。
最後に
2万円弱で自宅LANを10GbEにすることができました。最近は、10GbE対応スイッチでも安い物が出てきているので、一般家庭でも構築できるかと思います。
さて、次はインターネットの10G化をしないといけません。
その際は、10GbE対応ルータと10GbE 4ポート以上のスイッチを購入したいと思います。
自分の中ではもう目星はついていて、もう実行するだけだったりします。